予防歯科プログラム
長期的にみると、予防プログラムを行っている人と行わない人では歯を失う率に大きな差が出てきます。必要な時期に必要なタイミングで作成した予防プログラムでの定期的なメインテナンスが重要だと考えております。
プラークとは?
お口の2大疾患である虫歯・歯周病(歯槽膿漏)の原因となっているのがプラーク(歯垢)です。
プラークとは、ネバネバしていて歯の表面についている白いかすのようなもので細菌の塊です。
私たちの口の中には、様々な細菌(現在700種位わかっている)が存在しており、その中には、体に良い善玉菌もいれば病気をおこす悪玉菌もいます。よって、プラークコントロールの目的は、100%完璧にプラークを取らなければいけないわけでなく、病気(虫歯・歯周病)をおこす悪玉菌を減らし、善玉菌を維持していくことにあります。
プラークコントロールとは?
近年、歯磨き粉のTVコマーシャルなどで、プラークコントロールという言葉をよく耳にしますが、いったいプラークコントロールとは何でしょう?
恐らく皆様は、歯磨きを一所懸命してお口の中をきれいに掃除することと思われていると思いますが、実はお口の中の細菌をコントロール(制御)することです。
プラークコントロールは、質・量・環境の3つの要素にわけて考えられます。
質のコントロール
プラークにも、虫歯をおこすプラークと歯周病をおこすプラーク細菌の構成が異なります。前述したとおり、プラーク=悪い ではありません。食生活においての糖分の摂取の頻度やプラークの成熟度が病原性と関係しています。歯磨きでも取りきれず長時間歯の表面に残されたプラークは、やがて、フィルム状に強固に付着して増殖します。これをバイオフィルムと言います。このバイオフィルムは、ちょうどお風呂場や流しのパイプの内側にヌルヌルとしたものがまさにそれです。細菌が強固に付着している状態なので簡単に取り除くことができません。また、強い防御膜でおおわれていますので薬剤も簡単に入っていくことができません。
量のコントロール
大量のプラークは、唾液の自浄作用を減弱し悪玉菌が発生しやすい環境をつくります。そのため量を減らすことが大切です。
環境のコントロール
プラークがたまりやすい悪玉菌が優勢になりやすい環境を改善することが大切です。例えば、歯並びがデコボコしている場所・詰め物・かぶせものが歯と段差がある場所・歯の表面がざらついているなどを改善することが必要です。
バイオフィルムを効率的かつ効果的に除去する手段として、PMTCと呼ばれる専門的な器具を使ったお口のクリーニングなどをおこなっております。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
PMTCとは毎日の歯磨きだけでは取り除けない汚れや歯垢を、歯科医院にて歯や歯肉を傷つけない専用の器械を使い専門家が取り除く治療です。
バイオフィルムは粘着性が高く、また菌の増殖力が強いために抗菌剤などの薬剤が届きません。歯みがきや洗口剤だけでは落とすことができず専門的な処置が必要なのです。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の流れ
1:お口のチェック
ブラッシングができていない所を染め出して、必要があればブラッシング指導を行います。PMTCの前のお口の状態をチェックします。
2:歯石の除去
超音波スケーラーなどを使用し歯石の除去を行います。
3:歯の着色の除去
塩化カルシウムと重炭酸水素ナトリウムの粉末を水と共に着色部分にジェット噴射して着色を取り除きます。歯の表面構造(エナメル質)を、傷つけることなく、着色を取り除くことができ、爽やかなミントの香りとともに効果的な歯面清掃がおこなえます。
4:歯の清掃
クリーニング用の研磨ペーストを塗り、歯の清掃を行います。
5:お口の洗浄
消毒薬を含んだ洗浄液で、お口の中をきれいにします。歯だけではなく、歯肉ポケット内まで洗浄をおこないます。
6:フッ素塗布
虫歯を予防し、歯を強くするフッ素を塗ります。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の効果
歯質が丈夫になります研磨には歯の再石灰化を促すフッ素配合のペーストを使用し、仕上げにもフッ素塗布を行いますので、歯のエナメル質が強化されます。 |
虫歯を予防できます虫歯の原因となる歯垢、歯石、バイオフィルムを除去します。歯の表面を磨くことで歯垢がつきにくい環境になります。 |
歯周病・歯肉炎を改善、予防することができます歯の表面だけでなく、歯肉縁下数ミリ付近まで歯垢を除去しますので、歯肉の症状も改善され、また、PMTCを繰り返すことで歯肉が引き締まってくるので、歯周病や歯肉炎の予防にもつながります。 |
歯の審美性が向上します歯の表面についた茶しぶやタバコのヤニ、食物に含まれる色素を取り除きますので、本来の自然な歯の白さを取り戻すことができます。また、歯の表面を磨くことで、着色しにくい環境になります。 |
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以上のようにPMTCは重要ですが単にPMTCさえ行っていれば良いと言うものではありません、当クリニックではムリ・ムダのないプラークコントロールを推奨し、患者様一人ひとりにあわせたオーダーメイドの予防プログラムでお口の健康を守ってまいります。是非一度、当クリニックの予防システムをお受けになってください。